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値上げについてどう考えるか!

2024.4.5

2021年から続々と値上げの情報が報道される中、2024年の春も値上げラッシュが続きそうです。昨年までは原材料、燃料、そして円安による影響で物価が急激に上昇していました。2024年4月以降は、働き方改革関連法施行により、トラックドライバーの時間外労働の上限が年960時間に制限されます。これにより、輸送能力が低下するなどの「物流の2024年問題」の発生が懸念されています。物流費の上昇により、値上げが行われています。人件費に関しては、賃金上昇の影響があります。2023年には約30年ぶりの高水準の賃上げが実現し、2024年も同程度の賃上げが予想されています。賃金上昇によるコスト増加も商品価格に反映せざるを得なくなっています。

今後どうなるのか懸念している経営者も多いと思います。

このような物価の値上げ状況にもかかわらず、「うちは低価格戦略(値下げ)で顧客を獲得していきます!」と仰った経営者に出会いました。短期的には売上は増加するかもしれませんが、長期的に考えれば危険な賭けです。値下げとは利益を犠牲にして売上をあげる行為です。目先に追われ、未来を損なう商取引です。

一方、値上げをすることによって一時的には顧客は減少するかもしれませんが、中長期的には、会社全体が儲かる体質に変わります。具体的には

  • 値上げによって、高収益体質に変わり、会社内に余裕が生じる
  • 顧客層(価格より信頼や安心で取引する客層)が良くなる
  • 社内に余裕が生まれ、更に高付加価値な情報を加えることが出来る
  • 経営者に時間的余裕が生まれ、未来を創るための時間が出来る

また消費には次の「4つのタイプ」(動機付け、判断基準)があります。

  • 「安いから買う」消費
  • 「高いから安心、信頼がおける」消費
  • 「モノではなく、コトを買う」消費
  • 「自分らしさを買う」消費

「これら4つのタイプ」から分かるように、消費者の行動は「価格の安さ」だけで消費を決定しているのではないということです。

値下げするのは、自社の商品やサービスに自身を持ってない証拠だと思われても仕方ないことだと思います、しっかり値上げをして、正しい企業努力をして、企業価値を高めていくことをしなければならないと思います。