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賃上げ税制について

2021.12.17

 先日、税制調査会は「成長と分配の好循環の実現」「経済社会の構造変化を踏まえた税制の見直し」等を柱に令和4年度税制改正大綱をとりまとめました。

 その最大の注目点は企業の賃上げを促す「賃上げ税制」の強化です。賃上げ税制については、税額控除率を大企業で最大30%、中小企業で最大40%に拡充するそうです。また、一定規模以上の大企業に対して、従業員をはじめ関係する方に配慮した経営への取組みを宣言することを求めています。

 「賃上げ税制」は、安倍政権時の2013年に導入されましたが、期待された効果はあげられませんでした。今回その制度を強化するだけで、賃上げを促す効果がどれほどあるのか疑問視されています。企業にとって税優遇の効果は一時的である一方、ひとたび基本給を引き上げれば、それは容易には引き下げられず、将来的に企業業績を圧迫する可能性もあります。

 最近のマスコミ報道では、欧米諸国の給料水準がこの10年で1.5~2.0倍に上昇しているのに、日本だけが10年前と殆ど変わっていないという現状を考えると今回の「賃上げ税制」も政府の並々ならぬ意気込みを感じます。

 ただ優良企業最大40%の税控除を受ける一方、厳しい経営環境で賃上げが実施できない企業は、税額控除を受けることができません。コロナ渦で、個人だけでなく企業でも格差が広がっている現状を考えると「賃上げ税制」の強化は逆に格差を一段と拡大させる可能性があると思います。