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「値上げラッシュ」が止まりません!

2022.10.7

    原材料の高騰などを受け、10月から様々な商品やサービスの価格が上がりました。身近なものにも影響がでています。民間の調査会社は原材料価格の高騰や急激な円安進行を背景に飲料や食品の10月の値上げが6699品目に上ると発表しました。ひと月の値上げとしては今年最も多い数です。

    なぜこれほど多くの品目が一度に値上げしているのでしょうか?みずほ証券チーフエコノミストの小林俊介さんによると「原価率」が原因とのことです。「原価率」とは売上の中で原価がどれだけの割合を占めているのかを表すものです。日本の主な産業では80.5%。多くを原価が占めているそうです。日本は他の国よりも原価率が高く、その原材料も輸入に頼っているので、海外の物価の影響を受けやすく、さらに高い原材料を補うために人件費や利益を削り続けて、給与も少なくなると言う悪循環におちいっているといいます。

    原材料の高騰を価格に反映できているのか?という民間の調査会社のアンケートに対して70.6%の企業が、多少なりとも価格転嫁は出来ていると回答したそうです。しかしどのくらい価格転嫁できているのか?という数字を見ると36.6%でした。この数字はどういうことを表しているのかというと、例えば原材料の高騰で100円コストが上昇したとします。この100円のうち、値上げとして価格に出来ているのは36.6円分にすぎず、残りの63.4円分は企業が負担しているということです。本当はもっと価格に転嫁したいというのが多くの企業の本音だといえるでしょう。

 本年度の9月決算をみていると、昨年から続く値上げラッシュ(原料、燃料、人件費、円安等)に価格を転嫁できずに、売上は増加したが粗利は減少し、最終的に赤字になったという企業をよく見ます。今後はコストの上昇を踏まえて、早い段階で、適正に値決めをしていく必要があると思います。